KECグループ(株式会社ケーイーシー・株式会社KEC東進サテライト・株式会社KEC Miriz)
写真右から
人事部 育成課 HR事業準備室 赤田 智瑛里 様
経営戦略部 データマネジメント課 元岡 優 様
経営戦略部 カスタマーコンシェルジュセンターWeb担当 髙田 侑佳 様
- 企業HP
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株式会社ケーイーシー:https://www.kec.gr.jp/
株式会社KEC東進サテライト:https://toshin-satellite.com/
株式会社KEC Miriz:https://www.kec-miriz.com/
逼迫した業務を効率化し、さらには組織改革まで実現できた
導入の経緯
■赤田様
背景は2点あります。活用レベルの差と業務逼迫です。
1点目の、活用レベルの差ですが、社内全体で見ると、生成AIに対する個人の活用度合いや知識、生成AIに対する考え方に大きな差がありました。実際、生成AIを積極的に活用している人もいれば、まったく触れたことのない人もおり、全社的な活用が進んでいませんでした。
2点目の、業務の逼迫ですが、情報収集や文書作成などに多くの時間がかかっていました。事務作業に時間を逼迫され、より重要な業務に十分な時間を割くことができませんでした。
しかし、それらの課題に対して、「業務効率化」や「生産性向上」という面でフォーカスして取り組めていない背景がありました。そのため、今回この生成AIの研修をきっかけに、この課題に本格的に取り組んでいこうということになりました。
研修前の状況と、研修を受けた後の感想
■元岡様
研修前から個人的にChatGPTを使用しており、特にメールの件名や本文作成に活用していました。「一般的で無難な文面を考えてください」と依頼するだけでも十分に効果を感じていました。
研修を受けたことで、より詳細な情報(状況・相手の特徴・内容など)を入力すれば、さらに精度の高い文章を作成できることを学びました。また、生成AIの回答に追加のプロンプトを加えてブラッシュアップし、「これだ!」と思える内容に仕上げる工程が身についたことも大きな収穫でした。
研修内で「生成AIは、さまざまな部署の知識や経験が集約されたアシスタントツール」と説明され、非常に納得感があり、以後はこの考え方を取り入れて活用しています。
■髙田様
受講する前は「また新しい業務が出てきて、やらないといけないことが増えたな…」と思っていました。
ただ、私自身2023年ごろからChatGPT業務を担当しておりました。業務のほんの一部ですが活用していましたし、チーム内でもすごく有用なツールがあるよということは伝えていました。しかし、詳しい使い方や、考え方までは共有できていませんでした。だから今回の研修を受けて、しかも全員必須受講だったので、「研修を受けてくれたら、みんながスキルアップしていく!」ということが容易に想像でき、とてもありがたい研修だなと思いました。
私自身も、業務のほんの一部しかChatGPTを使えていなかったので、さらにChatGPTを使える業務が広がるのではないかという興味がありました。実際に受けてみると、「ああいうこともできるのではないか」「こういうこともできそうだな」と思うことがたくさんあり、自分の中で相棒(ChatGPT)の幅がとても広がりました。
研修後の具体的なLLMの使い方
■髙田様
研修前までは、過去に弊社に問い合わせてくださった一般のお客様などに対して、メールをお送りする際に、ただただタイトルとか本文とかをChatGPTに考えてもらう、という使い方をしていました。しかし現在では、単にChatGPTを使うのではなく、ChatGPTビルダー(※1)という機能を使い、業務に特化したカスタムAIを独自に作成しています。
例えば、新しい商品やサービスを紹介するウェブページを作成する際に、ChatGPTを活用することで、質問に答えていくだけでページのレイアウトや文章を自動で生成できるようにしました。これにより、手作業で時間をかけることなく、簡単に質の高い紹介ページを作ることができます。このように、ChatGPTを使うことで、メール作成にとどまらず、業務全体の効率化が進んでいます。
※1.ChatGPTビルダーとは、特定の業務や目的に合わせてカスタマイズできるAIで、企業独自のニーズに応じた活用が可能です。
■元岡様
私の業務上、社内の膨大なデータ、問い合わせ件数、生徒情報、学校ごとの生徒数などのデータを集計し、グラフや表を使って一目で分かる形に整理しています。
しかし、データベースにない学校から問い合わせがあった場合、情報を紐付けることができませんでした。
情報の紐づけ方法を模索していたところ、生成AIを活用して、実際の情報と同じ形式の仮のデータ(ダミーデータ)を作成することで、情報の紐づけを実現することがわかりました。そこで、生成AIに個人情報を与えない形で、「こういうダミーデータを作りたいのですが、どうすればいいですか?」とAIに相談しながら作成することで、業務時間の大幅な削減につながっています。
■赤田様
私は、つい1ヶ月前に法人営業の部門に配属になり、初めて営業というものをやっているところです。まずは、営業の数字の管理というところで、どんな数字を追っていけば目標達成できるのかというところをChatGPTに聞いて、最初に表を作りました。管理表ができると、何をどこまで目指せば良いか明確になり、自分の行動の指針になりますよね。
わからないことをまずはChatGPTに聞いてみる。そして、自分の指針として目標を立てる、というところをChatGPTがやってくれるのが、もう本当に相棒であり、頼りになる先輩であるなと思っています。
研修で印象に残っているパート
■赤田様
「生成AIを活用する人と、しない人の差がどれぐらいあるか」というところを、実際に事例を用いて解説してくださったところです。個人的にこの部分に衝撃を受けました。講義を受ける意義というか、「これからの社会で、なぜ生成AIをキャッチアップしていかないといけないのか」、これをリアルに感じさせてくれたことが強く印象に残っています。
■元岡様
私は、「個人情報をChatGPTに渡さないように」など、プロンプトを入れる際に注意すべきことをちゃんと明言していただいているところに、とても感動しました。そこまでやってくれるのだなと思いました。
その理由は、私がセキュリティマネジメントの資格を取った時、私自身が会社でセキュリティをきちんと守ることはもちろんですが、会社の情報を守っていく人材を作るために、後輩や新卒の方にそれをきちんと伝える研修が必要だと思ったからです。みんなが受ける研修の場で、セキュリティのことを明言していただけたところが、非常に大きな意味があったと感じています。全員が統一してセキュリティの問題を認識できたと思います。
研修について現場から聞こえてくる声
■赤田様
いま弊社では、全社員が有益情報を発信し合う仕組みを導入しています。どんなジャンルでも構わないので、新しく得た情報や、他の従業員にとっても有用な情報を、全社員、月に2件以上プラットフォームに投稿する、というものです。
そこに投稿された情報のカテゴリーを分析したところ、AIに関する情報の投稿数が、なんと研修前後3ヶ月で2倍ほどになっていました。
普段からAIを使う機会がある人事や経営戦略部だけではなく、現場の社員からもAIの情報発信がたくさんあったということは、この研修がきっかけになり、AIに対する注目度や、生成AIを活用した業務効率への意識が大きく向上したことを示していると考えています。全社としての大きな一歩になったことを実感しています。
■髙田様
施策を練るときなどに、LLMを使うことで、しっかりと狙いがわかるような資料が提出されるようになりました。以前はかなりの時間をかけて0から考えていたイベント案や集客案なども、「まずChatGPTに聞いてみて、出てきた回答をさらに自分の意見も加えて出す」というやり方が、かなり社内に広まっているな、ということを感じています。
■元岡様
研修を導入する際は、現場からはネガティブな意見も多少ありました。ですが、いざ研修が始まるとネガティブな意見が、どんどんポジティブな意見に変わっていることが分かりました。
例えば、研修前は「ChatGPTには良いイメージがあまりないし、使うのは面倒くさいから嫌だ」という声が多かったのですが、研修後は「ChatGPTは、業務効率化ができて、生産性が上がるツールだということを理解できた」というように変わっていたのです。
そのような嬉しい意見をいくつも現場から聞くことができて、この研修が導入されて本当に良かったなと思いました。
■赤田様
「生成AIに頼らず、自分自身の力で考えることが大切」のような風潮が、以前はありました。
しかしこの研修を経て、「生成AIを活用できたほうがすごいよね」というふうに、社内の考え方自体が変わってきているのを感じています。実際に、日々いろんな業務で、社員が作成したGPTsがどんどん追加されているのを確認しています。
生成AIを使って、いかに効率化できるかということをそれぞれが考えて、良いと思うやり方が日々投稿されているので、意見交流も非常に盛んになっているなと感じています。社内の風潮が大きく変わり、「どんどんAIの情報をキャッチアップして、実際の業務に活かしていくのだ」という流れができたことは、成基総研の研修がきっかけとなった部分が大きいので、本当に感謝しております。
研修のおすすめポイント
■赤田様
ただ学ぶだけでなく、実際に生成AIを使ってアウトプットする場面がたくさんあり、技術をちゃんと学んで習得する、というところまでカリキュラムに組み込まれていました。
また、研修を受ける前は、生成AIを使うためのテクニック、プロンプトの作り方などを学習するのかと単純に思っていたのですが、発展編になると単純な生成AIの使い方から遠く離れ、ビジネス脳になるための論理的な考え方(フレームワークを使ったビジネスの考え方など)を分かりやすく教えていただけました!ビジネスフレームワークを学ぶことで、感情や憶測抜きに現状を捉えて、直感的な判断ではなく、根拠に基づいた意思決定ができるようになります。本当に、「いろんな会社の方の、特にマネージャー層には受けていただきたい!」と進言させていただきます!
■元岡様
おすすめポイントとしては、全体の構成です。「導入編」で生成AIとはどういうものかを学び、要所要所で実際に自分の頭と手を動かして、生成AIを使ってアウトプットする機会が多数あり、さらに「発展編」に進むにつれて、落とし込んでより深いところまで学べる、という流れになっていました。
参考書や、ネットニュースや、他の方が書いた記事やブログで、生成AIの使い方がたくさん紹介されていますが、サクッとおおまかな情報を得られるものにしか過ぎないので、実際に学んだことを実務に活かすところまではいかないことが多いです。
でもこの研修では、実際に生成AIを自分の手を動かしながら使い方を学べました。
インプットに偏らず、アウトプットもたくさんできた、だからこそ普段の業務でも多々活かせるようになったのだと思います。
■髙田様
生成AIを触ったことがない方にも、「いろは」の「い」から分かりやすく教えてくださるという点が、まず1つおすすめポイントだと思います。
また、生成AIを使って何かやったことがある方にとっても、 ただ使い方だけではなくて、ビジネスの考え方、思考の仕方まで学習できるので、そこは誰にとっても非常に重要なものかなと思います。